スイス・ジュネーヴ留学日記

スイス・ジュネーヴの大学院生の留学記録。

Applied Research Project 〜概要編〜

Bonjour,

ジュネーヴは最近かなり冷え込む上に雨続きの毎日で、本格的に冬が来てしまったなぁという感じがしています。

今日は、私が先学期おこなった、Applied Research Project(ARP)というリサーチプロジェクトの流れや個人的な感想などをまとめてみたいと思います。

 

そもそもARPってなに?

ARPとは、Graduate InstituteのMINT (Master in International and Development Studies)のカリキュラムに含まれているリサーチプロジェクトです。MINTの学生は必ず参加しなければならない必修の授業です。学外の国際機関やNGO、民間企業などと提携して、半年ほどかけて提携先の団体から与えられたテーマについてリサーチをしていきます。

普通の修士プログラムとは違って、実践的なスキルも学ぶMINTならではのカリキュラム内容ではないでしょうか。このプログラムが終わると、かなりの単位がもらえます。

 

ARPの実施時期

私の学年では、2セメスター目に行われました。2月の終わり頃から始まり、レポートの提出が7月の初め、プレゼンテーションが9月に行われました。

ただし、ちょうどGraduate Instituteがこの時期について試行錯誤しているようで、毎年かなりの変更があります。

もともと私の一つ上の学年までは、2〜3セメスターのおよそ1年弱かけて行う長いプロジェクトでした。ところが、どうやら夏休みの間に自分の国に帰ったり旅行に行ったりして、そのまま連絡がつかなくなってしまったりということもあったらしく、私たちの学年は半年間という短い期間で行われました。

しかし、今度は期間が短すぎて調査にかける時間がほぼ一ヶ月しかありませんでした。インタビューやアンケート調査を行うグループも多い中で十分な調査ができず、それゆえにレポートの中身も薄いものになってしまいました。せっかくの経験ならば、もっと時間をかけて中身の濃いものを提出したかったという声が多く、今年はまた期間が長くなったようです。

 

ARPの流れ

ここのところ毎年スケジュールが変わっていますが、参考までに私の年のARPのスケジュールを書いておきます。時期やタイムスパンなどは違うかもしれませんが、流れはおそらく毎年同じだと思います。私の場合は、1年生のSpring semesterに行いました。

2月初め(冬休み中):ARPのプロジェクトリストが届く。

2月中旬:希望を出す・プロジェクト決定

2月末:ARP Foundation

ARP Foundationが終わると同時に、プロジェクトスタート。

2月〜6月:TAやパートナー団体とのミーティング、いくつかLiterature Reviewなどの提出期限あり。

7月7日:Final report 提出(忘れもしない、七夕に締め切りに追われていました…笑)

9月下旬:プレゼンテーション

プレゼンテーションは、夏休みを挟んで新学期(つまり3セメスター目)に行われました。

 

ARPの良いところ

経験になる

単位をもらいながら、学校でConsultingの経験ができるのはとてもよいと思いました。MINT(私の所属する修士プログラム)は、アカデミックだけでなく実際に国際関係や開発分野で卒業後に活かせる実践的なスキルを身につけることを目標としているので、まさにこのプログラムはぴったりだと思います。また、パートナー団体によっては私たちが書いたレポートをpublishしてくださることもあるので、それもまた実績になります。

私たち学生としては、CVやLinkedInにもかけますし、他の仕事やインターンに応募するときにもアピールポイントになるということが一番大きいメリットでしょう。ほとんどの友人が、Student researcherなどとポジションの名前を(勝手に)つけてCVやLinkedInでアピールしています。

コネクションができる

自分が将来進みたい分野のプロジェクトを選べば、関連する国際機関や企業、NGOとのコネクションができます。頻繁にメールのやり取りもする上、月に1回ほど担当者の方とミーティングがあるので、顔見知りになることができるのは大きなポイントです。

ビジネスマナーなどを学べる

特にメールの書き方が大きな学びだったと思います。日本語ほどではないですが、やはり英語でもフォーマルなメールだと定型があります。パートナー団体とはずっとメールでのやり取りだったので、自然と身についたと思います。

他のグループメイトから学べることが多い

特にレポートを書く時は分担して書くものの、全体が統一して見えるようにしなければならないので、書き終えた後に他のメンバーが読んだ部分も読みながら単語やフレーズなどを修正していく作業が必要になります。その際に、英単語やフレーズに関して、また情報のまとめ方についてチームメイトの文章から学べることがたくさんありました。

 

ARPのネガティブポイント、懸念点

パートナー団体に当たり外れがある

とても良いパートナー団体であれば、レポートや制作途中で提出したものに対して頻繁にフィードバックをもらえたり、リサーチに必要な資料やインタビュアーを積極的に探して提案してくれたりします。

一方で、忙しい団体は正直学生のリサーチプロジェクトになど構っている暇はないようで、ほとんど放置され、インタビューなどの調査もままならない場合もあります。

傾向としては国連系の大きい団体は忙しくて協力的でない場合が多く、NGOなど小さい団体の方がよくサポートしてくれる傾向があるとのことです。ただ、一概には言えないので運によるところもあるかもしれません。

チームに当たり外れがある

こちらはチームメンバーの話。正直、修士プログラムにもなってこんなことがあるのかと信じられない気持ちでしたが、グループによっては仲違いや衝突が起こって分裂し、1人でレポートを書かなければいけないというケースも毎年そこそこ起きているようです。私の周りの友人でも、分裂してしまったために1人でリサーチからレポートまで全てやらなければならないという人を何件か耳にしました。

分裂まではしなくとも、いろんな国籍の人がいるからこそ仕事の仕方も非常に様々で、ストレスはほぼ全ての人が感じていたと思います。これもひとつの経験・学びではありますが、あまりにもグループでの作業が向いていない人とチームになってしまうと精神的にも体力的にも大変だと思います。グループメイトは自分で選ぶことができないので、よい友人とグループになれることを祈るしかありません…

かなり忙しくなる

グループごとにミーティングの頻度は異なりますが、月に1回ほどのパートナー団体の担当者とミーティング、週に1回のTAとのミーティング、TAとのミーティングのためのチームメイトのミーティングと、まずミーティングだけでかなりの時間が取られます。さらにそこにリサーチやレポートを書く時間も入ってくるので、相当の時間をARPに割くことになります。

学外でのインターンシップなどと両立させるのはなかなか大変ですし、ARPがある間は授業2〜3コマとARPでスケジュールがかなりいっぱいになると思います。

もちろんARP自体が良い経験ですが、人によってはARPではなく他の経験が積みたいと言う人もいました。

 

今回はARPの概要についてをまとめたので、次回は私の経験を踏まえながら、具体的にARPでどんなことをするのかと、その感想をまとめたいと思います。