いきなりですが、最近のこのブログ更新頻度が増えている明確な理由があるのですが、なぜかわかりますか?
正解は、卒業論文を書くために机に向かうも論文の筆が進まないときに、このブログをつらつらと書いて、論文を書いた気になって気を紛らしていたからです笑
そしてとうとうその卒業論文も、先週とうとう提出できました!!!
今回は、今私や私の友達たちを苦しめている卒業論文について、IHEIDではどんな風に卒業論文を書くの?ということをまとめたいと思います。
概要
IHEIDでは、基本的に全員が、最後のセメスターに卒業論文を書きます。大学院によっては卒業論文は必須ではなく、例えばパリのSciences Poではインターンをすれば卒業論文は免除になるとのこと。羨ましい… IHEIDではそんなシステムはなく、マストの卒業要件です。
卒業論文に対しては30単位をもらうことができます。成績は他の授業と同じように6までの数字でつきますが、GPAの計算には含まれないとのこと。
ワード数は 15,000〜25,000 wordsです。普段の授業のレポートが 5,000 wordsくらいのことが多いので、レポート3つ分と思うと、そこまで長くもないのかなという感想です。私の場合も、確かに書くのは大変でしたが、必要な情報を全て書いていたらなんだかんだ簡単に 15,000 wordsになりました。
締切は、6月中旬ごろ。今年は6/15ですが、これが毎年変わるものなのか、それとも毎年6/15なのかはよくわかりません…
卒業論文のテーマ
私の所属するMINT(Master in International and Development Studies)では、卒業論文のテーマに特に決まりはありません。もちろん全く関係ない物理学の論文とかは書けないわけですが笑、International StudiesやDevelopment Studiesに関するものであれば本当に幅広くなんでもOKです。
例えば私の周りでは、Hydrogyn、economics、histry of laws、economics、education、technology、migration and refugeesとフィールドもいろいろ。多様すぎて、友達に何の論文を書くか聞いても一回ではあんまり理解できないことも多くて困っています笑
リサーチ方法も、文献調査やインタビュー、数字データの分析やフィールドワークなど本当に多種多様です。政府や国際機関のpolicyレベルを分析している人もいれば、現地に行ったり現地の人にオンラインでインタビューしたりする、フィールドレベルの内容を書いている人もいます。
ただ、幅広く何でもOKな分、テーマ決めがなかなか難しいのも難点だったりします。例えばジェンダーについて書くと決めていても、それでは幅広すぎるので、そこからなかなか狭めていくことができずに困っていた友人もちらほら見かけました。後述しますが、特にMINTでは教授と相談しながらテーマを決めるというよりも、自分で決めたテーマを持ち込んで教授に指導をお願いするという形なので、余計にテーマ決めに難しさを感じる人が多かったような気がします。
私の場合は後述の Proposal(日本語で言うところの計画書ですかね)を提出する時にしっかりとテーマを決めました。
スケジュール
2セメスター目 Supervisor探し
2セメスター目の間に、自分で論文を指導してもらう supervisorを見つけます。Trackごとに教授紹介のセッションがあったりしたところもありましたが、基本的には自分で合いそうな教授を探してお願いしに行きます。
私の場合はもともと教育に興味があり、もともと受けていた教育に関する授業で面識がある教授にお願いしました。IHEIDで教育系に詳しい教授がとても少なかったこともあり、私の場合はかなりすんなりとsupervisorが決まりました。
友人たちは、自分のフィールドに詳しい教授に限らず、自分のリサーチの地域に詳しい教授、リサーチ方法に詳しい教授など様々なアプローチでsupervisorを見つけていました。とりあえず一人二人当てをつけてオフィスアワーに話をしてみると、引き受けてもらえなかったとしても代わりにその分野に詳しい教授を紹介してもらえたりすることが多いので、よくわからなかったらとりあえずオフィスアワーに会って話してみるのがいいかもしれません。
教授1人につき学生10人までという決まりがあるようなので、人気の教授はすぐにいっぱいになってしまうこともあるそう。テーマがなんとなく決まりだしたら、早めに動き出すのがおすすめです。
また、教授と会って話す中でテーマの方向性が絞られていくこともあるので、完全に決まっていなくとも、ざっくりとしたアイデアがあれば、とりあえず教授と話してみてもいいような気がします。私の場合はなかなかテーマが狭まっていなかったのですが、「とりあえず取られる前に会っておきな!」という友人のアドバイスに従って、教授のオフィスアワーに行きました(笑) 授業をとっていて顔見知りだったと言うこともあってか、「移民の教育について書きたいけど全然ちゃんと決まってなくて…」と話すと、希望のリサーチ方法やそのフィールドの知識をもとに可能性のあるリサーチの方向性をいくつか提案してくださったので、決まっていない状態でとりあえず話を聞いてみてよかったなと思います。
テーマ決め・タイトル提出
ちょっと正確な時期を忘れました、ごめんなさい…。ただ、3セメスター目くらいのタイミングで、supervisor探しとテーマ決めを踏まえて、、IHEIDのポータルサイト上に自分のsupervisorと tentative titleを記入します。これは仮のタイトルなので、後から変更可能です。大体の内容があっていれば、そんなに深く悩みすぎなくても大丈夫だと思います。
2月中旬ごろ Research Proposal 提出
Research Proposal、研究計画書を提出します。決まったフォーマットはないのですが、大体みんなこんなStructureで提出していました。
- Introduction
- Literature Review
- Objective of the Research & Research Question
- Methodology
- Schedule
- Limitations
- References
私は以前、授業のFinal paperとしてresearch proposalを提出したことがあるので割と簡単にかけましたが、ここで初めて書くということで何を書くべきかわからず苦労している人も見かけました。逆に教授によっては明確に「これを必ず書いて欲しい」「何文字は書くように」というような指示がある場合もあったようです。一人の友人は、文献表(リサーチで使う文献と、その内容、なぜその文献が研究に役立つかをまとめたもの)を作るようにと言われたようで、苦しんでいました…
そのような指示がない場合はかなり自由に書くことができますが、私のおすすめはこの段階でliterature reviewをかなり進めておくこと。そうすると、それをほぼほぼ論文の本文に使えるので、後の自分が楽です。私もこのときにそこそこちゃんとliterature reviewを書いていた自分に、後々かなり救われました笑
Final Deadline
Proposalを提出したら、公式にはあとはFinal Deadlineがあるのみ!そこまで自分なりにペースを掴んで、スケジュールを立てて、リサーチを進めていかなければなりません。
Supervisorによっては、internal deadlineを決めている人もいるようで、イースター休暇前にliterature reviewを提出するようにとか、◯日までにfirst draftを送ってと言われている友人がいました。
私の教授は全くそういう指示がなく、「アドバイスが欲しいなら提出してね〜でもあなた次第だから、final deadlineさえ守ればOKだよ〜過去に一回もアドバイスをもらわずに提出した人もいるよ〜」とのことでした。さすがにそれは心配なので、オフィスアワーに質問しに行ったり、自分のタイミングでdraftを提出したりしていましたが。
Final deadlineまでに提出すればOK! 質疑応答のようなものはIHEIDのマスターではありません。PhDではあるらしいです。
一応、体調不良など特別の事情があれば締切を1ヶ月延長することができるとのこと。もちろんどうしてもの事情がある場合は別ですが、結局自分が苦しむ期間が1ヶ月増えるだけなので、公式の締切内に提出してしまうのが吉と思われます。
友達と話していて出てきたtipsをいくつか書き残しておきますね。
- 卒業論文のテーマが早めに決まっている場合は、その他の授業の課題で卒論のテーマに沿ったレポートを書いて調査を進めておくことがおすすめ。そのレポートを少し手直ししたものをLiterature Reviewに使えたり、卒業論文の調査で文献を探す手間が少し省けたりする。
- インタビューやフィールドワークはできるだけ早く終わらせる。インタビューは、インタビューできそうな人に早めに連絡することを心がける!
- 一緒にカフェに行ったり図書館で勉強したりする友達を見つける。お互いにやる気を出せるように声を掛け合えるから、早い時期からペースを掴んで卒論を書き進められる。
- 自分が一番効率よく集中できる時間帯・場所を見つけておく。私の場合は、夜遅くに静まり返った寮の自習室がお気に入りだったので、逆に料理などは昼間に済ませ、夕食・お風呂も夕方くらいまでに済ませて、夜はあったかいお茶を片手に自習室にこもっていました。
- とりあえず何か書く。とりあえず書いてみると、それを部分的に直すなり、restructureするなり、もう少し分析が必要だったり、何が足りていないか見えてきます。また、その「とりあえず書いたもの」に手を加えれば良いので、楽です。いちばん辛いのは何もないまっさらなところに生み出すところだと思うので、とりあえずなんでもいいので書き始めてしまいましょう。
- 余裕を持って教授にdraftを提出すること。教授によっては早めにバカンスに行ってしまったり、授業の成績評価をつけることで忙しい教授もいます。また、締め切りの一週間前に調査からやり直したほうがいいというコメントが来て、泣く泣く締め切りの延長をお願いしたという友人もいました。早いうちからsupervidorにコメントをもらえるようにdraftを提出することをお勧めします。
- どこかのタイミングで「諦める」こと。最後の方になると、何回読み直しても修正したいところや書き直したいポイントが無限に出てきます。100%完璧なものを提出するのは無理なので、どこかの段階で区切りをつけてしまうのも手ではないでしょうか。
卒業論文の最終的な感想は、楽しかった!最初は産みの苦しみがありましたが、一度書き出して流れに乗ってしまえばすらすらと書き進められました。自分が興味のあるテーマなので、調査をして深くそのテーマについて知るのはとても楽しい経験でした。私はインタビューをしましたが、様々なインタビュー参加者の方の意見を聞くたびにとても興味深い見解が出てきて、論文に書く内容を絞ることにも苦労しました…笑
また、私はbachlorのプログラムで卒論を書かなかったので、初めてこれだけ長い調査を自分で行なって論文を書き上げたと言う達成感をとても感じました。
成績のことはとりあえず忘れて、夏休みを楽しみたいと思います笑