スイス・ジュネーヴ留学日記

スイス・ジュネーヴの大学院生の留学記録。

Grand Morillon Student House 本音レビュー

Bonjour,

早いもので、8月も後半ですね。実は最近、私事ですが7月末で2年間住んでいた寮の契約が終わり、名残惜しくも新しいお部屋に引っ越すという生活の変化がありました。

ずっと記事に書きたいと思いつつ、個人情報の漏洩を気にして書けていなかったので(笑)、今日は私が住んでいたGrand Morillon Student Houseについて感想などまとめたいと思います!私が寮に申し込む際もなかなかIHEIDの寮についてのレビューなど見つからなかったので、今回は良いところも悪いところも、本音で書いていくつもりです。

Grand Morillon Student Houseという正式名称はちょっと長すぎるので、私たち学生が使っている愛称 "GM"をこの記事では使いたいと思います。

 

基本情報

ロケーション

GMジュネーブの中心地からは少し離れた、国際機関が立ち並ぶ Petit-Saconnexと呼ばれるエリアにあります。すぐ近くに Cret de Morillonというバス停があり、5番、8番、60番のバスが通っているので、基本的にはそのバス停が最寄りです。ジュネーブの中では少しはずれの方にありますが、アクセスは悪くなく、IHEIDのキャンパスまでは歩いて15分もしくはバスで5分、中心地のCornavin駅まではバスで10分、ジュネーブ空港までもバスで10分と交通の便はかなり良かったです。

寮の周りの道はこんな雰囲気。

とはいえ少し外れの方にあり、周りがたくさんの自然に囲まれているので、夜はとっても静かで騒音も気にならず、とても快適でした。

建物はbuilding 8とbuilding 10の二つがあり、お互いに向かい合わせになっています。二つの建物は、真ん中にある Balladを通って行き来することができます。



 

入居対象者

GMはIHEIDの学生寮なので、GMに住むことができるのは基本的に学生とインターンに限られます。時々学生でない人が住んでいる場合もあるようですが、その場合は家賃が学生料金ではなく高くなるようです。

 

入居申し込み

寮の申し込みは、IHEIDの学生であれば合格通知が届いてからすぐに申し込み方法についての連絡が来ると思います。基本的にはそのタイミング、もしくは2年目の初めに後輩と一緒に申し込み直すという方法でしか公式に応募する方法はないようです。

 

お部屋について(Studio with kitchen)

お部屋の種類

いろいろなお部屋タイプがあり、

・Studio without kitchen (キッチンなしのワンルーム)
・Studio with kitchen (キッチンありのワンルーム)
・Shared apartment (小さい個室+キッチンとダイニングを三人くらいでシェア、バスルームもシェアする場合もあり)

が一番多いお部屋タイプです。その他寝室とリビング付きの家族で住めるようなお部屋タイプもあるようです。

お部屋の値段は階数によって異なります。0〜2階のお部屋は3階以上のお部屋より安く設定されています。明確な理由は聞いたことがないのですが、おそらく景色の問題で値段に差をつけている様子。ただし、GMは建物内の両側にお部屋があります。すなわち、建物の外側、GMの外に面しているお部屋であればそれなりに綺麗な景色が見えるのですが、内側を向いているお部屋はただただ向かい側のbuilding 8もしくはbuilding 10が見えるだけなので、景色は良くありません。それでも3階以上に住むと高い値段設定になるのは謎だなぁといつも思っていました。

部屋の内装

私はStudio without kitchenに住んでいたので、そのお部屋の中を紹介したいと思います。

玄関付近

扉を開けると、まずすぐ右側に大きな収納があります。この収納はかなり大きいので、いろんなものを入れていました。日本のお家と違って玄関がないので、部屋の中で靴を脱ぎたい場合は自分で適当に土足エリアと靴を脱ぐエリアの境目を決める必要があります。

先ほどの大きな棚の隣には洋服をかけられる収納があります。洋服をかけるところ以外にも、上下に小さいスペースがあるので、かばんや帽子、手袋マフラー類もここに入れていました。一番上の段が高すぎることだけが難点…

玄関横の棚。段の高さを変えることができます。

このような洋服ダンスもついています。
キッチンスペース

洋服の収納の隣には、キッチンスペース。キッチンはもちろんついていませんが、ちょっとしたシンクとケトル、電子レンジ、冷蔵庫は備え付けられていました。この電子レンジはかなりワット数が強くて、おそらく1000Wはあったのではないかと思います…サトウのごはんなど日本から持ってきた電子レンジで調理する食べ物を温めた時、表示してある時間の半分くらいで十分でした(笑)

キッチンエリア。一番左の扉を開けると冷蔵庫があります。


冷蔵庫も一人暮らし用の冷蔵庫くらいのサイズのものをまるまる一つ使えます。冷凍庫も小さいながらきちんとついているので、コンロ以外のキッチン用品はかなり充実しています。
そのほかにも、コップやお皿、カトラリー、ワインオープナーと小さいナイフはお部屋に備え付けのものがあります。ただ欠点もかなりありまして…

・コップは小さすぎる。

・お皿は大きいプレートしかないので、和食のようなお茶碗と、お椀と、小さめのお皿と…みたいな献立を作りたければ買い足す必要がある。

・ナイフが小さすぎて何も切れない(笑) その情報を先輩から聞いていたので、私は日本から包丁を持ってきて事なきを得ました。

もちろんお皿やカトラリー等は共同キッチンにも置いてありますが、やはりバリエーションは似ているので、スープ用のお皿や小さいお皿はありません。

炊飯器は持ち込みOK、IKEAなどで売っているIHは持ち込み不可ですが、こっそり持ち込んでいる友達もいたようです(小声)

部屋に備え付けのカトラリー。キッチンペーパー立ては個人のものです。

 

バスルーム

バスルームはキッチンエリアの向かいぐらいにあります。割とコンパクトで狭めです。トイレ、洗面台、シャワールームがセットになっています。

トイレはスイスのごく普通のトイレで、特別に書くこともないかな(笑)トイレブラシはついています。

洗面台は、シンク?の部分がかなり小さいです。手を洗ったりする分には問題ないのですが、顔を洗うと床がびしょびしょになるのが欠点でした。また、手洗いの洗濯物などをするのにも小さすぎてかなり困りました。ただキッチン(仮)エリアのシンクがあるので、洗濯物などはそっちを使えば問題ありませんでした。

シャワールームはかなり狭くて、大人一人がピッタリ入るくらいのサイズですが、慣れてしまえばそんなに気になりませんでした。問題は、シャワールームが少し高くなっていたり床に段差があるわけではなく、全く同じ床が続いているところに扉が設置されているだけという仕様だったこと。気をつけないと外に水が漏れやすかったのが欠点だったかなと思います。とはいえ乾燥しているヨーロッパ、多少の水くらいはすぐ乾くので、途中からあまり気にしなくなりました(笑)

シャワールームの様子。

シャワールームの目の前にトイレがあります。




テーブル

キッチンエリアから続くような形で、長いテーブルがあります。テーブルが長すぎて部屋の空間を圧迫しすぎているような気がしなくもなかったのですが、広い分ゆったりと使えるのはメリットでした。机には勉強用のテーブルライトがついています。

写真の左側に写っているのが長テーブルです。



ベッド

当たり障りのないベッド。枕とマットレス、かけぶとんは備え付けです。このかけぶとんは薄っぺらいですが、かなり暖かくて使い勝手がよかったです。

ベッドの下にはスペースがあり、スーツケースなど収納しておくことができます。ただ、マットレス等を外さないと出し入れができないので、普段使うものはここに入れることはできません。ただ、普段使わない大きいスーツケースや違う季節の洋服などを入れるにはぴったりだと思います。

ベッドの枕側には大きな飾り棚があって、ここも収納に使えます。初めにこの部屋に来た時、「こんな枕元に大きい棚作っても何に使うんだろう…意味ないじゃん…」と思っていましたが、ここはスイス、地震がないので落下の危険を気にせずに物を置いて大丈夫です!

 

ベンチ

なんという呼び方が正解なのか2年間住んでもわからないままでした(笑) とりあえず、ベンチと呼んでおくことにします。窓際に、縁側のような、ベンチのような、座ることのできるスペースがあります。ここの主な目的は床下収納ですね。ベンチの板を持ち上げるとかなり大きな収納スペースが出てきます。

この収納も大きい収納が二つ、小さい収納が一つの合計三つがあるので、かなりたくさんのものをしまうことができました。

ベンチ下の大きい収納二つ。この右隣も開きます。



窓はかなり大きいです。付いている取手をぐるっと上向きになるまで回すと、左側の窓の上側だけ細く開けることができます。取っ手を横向きになるように回すと、左右の窓をパカっと大きく開けることができます。

窓の外についている白い雨戸のようなものは開けることができるので、開けっぱなしにしている人もいました。

窓に関しての難点は、網戸がないこと。GMはかなり自然の多いエリアにあることもあってか、晴れた日に窓を全開にしていると虫がたくさん入ってきてしまいます。それも、山にいそうなかなり大きめの虫が…
というわけで、私は窓を全開にすることはほぼなく、白い雨戸のようなものは閉じたまま、窓を薄く開けておくことが多かったです。

窓には白いプロジェクターのスクリーンのようなカーテンがついていて、窓際のボタンを押すと自動で上から降りてきます。夜はこれを閉めないと部屋の中が丸見えです。白い雨戸のようなものを閉めていても中の電気がついていると人のシルエットがくっきりと見えてしまうので、暗くなったら早めにカーテンを閉めましょう。

 

冷暖房

暖房は設備あり、冷房はなしです。

暖房はあるとはいえ、あまり機能しません…環境のこと等を気にして、最高温度設定が22度なので、かなり寒いです。

冷房はありません。どうやらジュネーブ州の法律で、アパートや家などは冷房の設置が禁止されているらしいとのこと。とはいえ夏は暑く30度を超える日も普通にあるので、必ず夏になる前に扇風機を買っておくことをお勧めします。

 

照明

キッチンエリアからテーブルの上、玄関、バスルーム、ベッド脇の証明の4つがあります。最初に引っ越した時はかなり部屋が暗いなと感じましたが、次第に慣れました。

 

コンセント

コンセントは、キッチンのエリアに2つ、洗面所に2つ、テーブルの横に2つ、ベッドの枕元に2つです。テーブルのコンセントは、真横にあるもののテーブルが長すぎるために届きにくかったので、延長コードがあるとよいかもしれません。
ベッドの枕元のコンセントは、普通のプラグが2つ、USB-Cを挿せるところが2つありました。これはなぜだか全くわからないのですが、このUSB-Cプラグに挿すとスマホの充電がものすごいスピードで終わるのです!スマホの充電は普通のプラグではなくUSB-Cに挿すのがおすすめです。

 

清掃サービス

約2週間に1回程度の清掃サービスが入ります。個人の部屋のキッチンエリア、バスルームの掃除、リネンや枕カバーの交換、簡単な床とテーブルの掃除をしてもらえます。

掃除の日は朝8時半までにリネン類を外して床に置き、洗面所やキッチンエリアのものをしまった上で部屋を出なくてはいけません。掃除のスケジュールは1階のエントランスに毎月スケジュールが貼り出されるので、それをみて把握します。

このクリーニングサービスはかなりよかったです。というのは、スイスの水は硬水なので、シンクなど真っ白になってしまい、これを掃除するのがかなり大変なのです。クリーニングサービスの人は専用の機械を使って掃除してくれるようなので、

 

1つ注意点は、掃除の日にバナナを置きっぱなしにしていると小さい虫が入ってきてしまうこと。掃除の人にくっついて入ってくるのか、掃除の間部屋の扉があけっぱなしだから入ってきてしまうのかわかりませんが、掃除後に部屋に小さな虫が4〜5匹飛んでいて捕まえるのが大変だったことがあるので、バナナは前日までに食べ切るか、どこかにしまっておきましょう(笑)

 

寮の設備;共用エリア

ポスト

Building 8の0階に全員分のポストがあります。ポストの鍵は部屋についているので、それを利用して開ける方式です。
問題は、小包などが届いた時。もちろんポストには入らないので、不在票のような小さい紙が郵便受けに届き、基本的にはその紙を持って自分で郵便局まで撮りにいく必要があります。バスに乗って運ぶ必要があり、大きい荷物が届いた時などは特にとても大変でした…
ポストのある部屋に宅配ボックスのようなものが1年以上前に設置されたのですが、今まで使われている様子を見たことがありません。あまり当てにしない方が良いかと思います…

ランドリー

部屋に洗濯機がない代わりに、ランドリールームがBuilding 8, 10両方の0階に設置されています。洗濯は1回5フラン、乾燥機は1回1フランです。高い…!私は毎回乾燥機にかけずに部屋干しすることで乾燥機代だけでも節約していました(笑)

洗剤や柔軟剤は自分で買って持っていく必要があります。

アイロンとアイロン台がランドリールームにあり、自由に使えます。

 

共同キッチン

こちらは大きい共同キッチン。

 

共同キッチンは、building 8とbuilding 10の両方の建物各階に一つずつあります。

共同キッチンは2パターンあり、大きいキッチンが一つ付いている階と、小さいキッチンが二つ付いている階があります。大きいキッチンの方は、コンロやシンクなどのいわゆるキッチン台が部屋の両端に二つあり、その間にはソファと長テーブル、椅子などが設置されています。

小さいキッチンは、大きいキッチンの二分の一のサイズ。キッチン台が一つと、小さめのテーブルと椅子、ソファが置いてあります。

調理器具は大体揃っていて、お鍋やフライパンはもちろんのこと、ヘラやお玉、泡立て器、ケトル、オーブン、電子レンジ、冷蔵庫もあります。大きな食洗機もあるので、とても便利です。

調味料等は基本的には置いていないのですが、前にGMに住んでいた人が引っ越すときにいらないものを置いて行ったりするようで、それが残っていたりします。

 

 

キッチンの問題点は、やはり使い方が汚い人がいるということ。同じフロアの人おそらく10人ほどがシェアしているので、キッチンが汚れていても誰が汚したのかわからない状態、そのために汚いまま放置していく人も多いです。また、人によっては食洗機を使ったことがない人もいるようで、例えばお鍋でお米を炊いてお鍋の底にお米がこびりついたまま食洗機に入れ、使おうと思ったお鍋が汚れている…

なんていうことも。そして、どうしてもキッチンで使ったものをすぐに戻さない人がいたり、部屋に置きっぱなしにしたりする人がいて、使いたいときに使いたい調理器具が使えないという問題もありました。

 

スタディルーム

スタディルームはbuilding 8と10の両方に一つずつあります。

building 8の方は大きい部屋に机と椅子が並んでいて、個人で勉強をしたり作業をしたりする人向けです。本も置いてあり、自由に読んだりできる様子。ここは夏にGMで冷房が効いている数少ない部屋の一つなので重宝していました。

building 10のスタディルームは会議室のような作りになっています。友人と一緒に勉強をしたいときや、プレゼン準備のミーティングをしたいときなどに使うことが多かったです。

 

コミュニティガーデン

 

Building 8と10の両方に一つずつコミュニティガーデンがあり、そこで野菜やハーブなどが育てられています。

ルールがコロコロ変わるので現在の正式なルールが分かっていないのですが、夏になって野菜等が収穫できる季節になると、専門のスタッフの人が収穫してadmin officeの前に置いておいてくれるようです。底にある野菜は自由に取っていって構いません。私が来たばかりの頃は自由に野菜をとって構わないという運営だったのですが、今は勝手に収穫してはダメという方式に変わったようです。

トマトやズッキーニ、ナス、その他タイムやローズマリーなどのハーブが取れるので、自炊に使えてとても便利です。

 

まだ青いですがミニトマトがなっていました。

ネギもかなり立派なものができていました。

収穫された野菜はこんな箱に入って、管理室の横に置いてあります。

 

ゲームルーム

Building 10にあるゲームルームは、その名の通りゲームをして楽しめるお部屋です。ゲームセンターにあるようなホッケーと、パブで見るようなサッカーゲーム、そしてボードゲームがいくつか置いてあり、自由に使うことができます。

サッカーゲームも。

ジム

Building 10にあります。GMに住んでいる人が全員使えるわけではなく、使うためにはメンバーシップに申し込む必要があります。私はジュネーブの違うジムに通っていたので利用したことはないですが、小さいながらも筋トレマシンは一通りそろっていると聞きました。

 

ルーフトップ

 

こちらもBuilding 10の8階に。ベンチやテーブルなどが設置されていて、ジュネーブを一望することができます。天気の良い日はここでご飯を食べたり、友達とおしゃべりしたりしていました。私が2年連続で初日の出を見たのもこちらのルーフトップです。

ちなみにルーフトップには屋内のパーティースペースがあり、イベントがここで行われることもあります。普段もバドミントンがここでできるので、友達と誘い合わせてバドミントンをしたこともありました。

屋内スペース。かなり広いです。

地下ロッカー

地下にはロッカーがあり、月10フランで借りることができます。私は使ったことがないのですが、そこそこのものをしまっておけるスペースはあるようです。

−1階にロッカーがあります。

 

学生からの声

ここでは、私が友人からよく聞いたGMに関する意見を挙げてみたいと思います。

ポジティブな意見

・綺麗だから住みやすくていい。

新しい寮だということもあり、かなり清潔感があってとても綺麗です。白と木を基調とした内装もより清潔感を感じさせる要因の一つだと思います。

 

・防音がしっかりしているから、周りの部屋の物音などあまり気にならない。

隣の部屋の話し声などが聞こえたことは、私は一度もありませんでした。廊下を歩いている時もかなり静かだと感じます。
特にもう一つのIHEIDの寮、Pichiottoは周りの部屋の話し声やコンセントを挿す音などが聞こえるそうで、それと比べて防音性が良いという意見が多かったです。

 

・友達が大体みんなGMに住んでいるから、すぐに会えて良い。

IHEIDの学生、特に一年目はほとんどの学生がIHEIDの寮であるGMもしくはPichiottoに住むことが多いです。Pichiottoは部屋数が少なめなので、必然的に多くの友人がGMに住むことになります。共同キッチンなども充実しているので、GMに住んでいる友人と気軽に一緒に夜ご飯を作って食べたり集まったりできるのはとても良かった点の一つです。

一方で、家に帰ってまでも学校の友人に会ってしまうのがキツい、プライベートはきっちり分けたいという意見の友人もいました。そこは個人の好みが大きいかなと思います。ただ、GMで誕生日パーティーなどのイベントを主催する友人も多いので、

 

・学校まで徒歩15分あるのが、逆に運動になって良い。

たったの15分と思いがちですが、小さなジュネーブの街では15分のウォーキングはかなりいい運動です。通学路も直線でわかりやすい上に、緑が多くて感じの良い道なので、

ネガティブな意見

  • 廊下も真っ白で精神病棟みたい。

真っ白で清潔感がある一方で、この意見もちょっと分かる気がします(笑) 特に廊下は、真っ白な中に部屋がただただ並んでいるので、そう言われると確かに病院みたいかも。

 

  • シルバーフィッシュ対策をなんとかして欲しい。

こちらは私も同意見ですね。まずシルバーフィッシュというのは、ヨーロッパでよく見られる家に出る虫で、刺したり噛んだりそういう害は全くありません。ただ、見た目がひたすらに気持ち悪い!

どうやらGMの寮中で繁殖してしまっているようで、壁の隙間などから部屋に入ってきてしまうとのこと。私の部屋でも時々見かけました。ひどい部屋では、一日一匹は見つけるという人もいる様子…

寮に住み着いてしまっているので私たちが何かできるわけではなく、管理人さんたちが中心になって対策をしてもらうしかないのですが、効果的なことは今までのところ何もしてもらえず…
そこに不満を持っている人も多くいるようです。(私を含め)

 

  • 管理室の人たちがひどい。

Adminの人たちは、確かに基本的に対応が悪いことがほとんどで、そこに不満を持っている人はとても多いです。まずそもそも、月・火・木・金の午前中(9時〜12時)しか開いていないので、特に働いている人にとってはなかなか管理室に行ったりすることが難しいです。メールを送っても返事が遅いことも多く、急ぎの用事ではかなり困ります。

対応もあまりよくなくて、共同キッチンに備え付けのカトラリーを全部無くそうとしたり、いきなり引越しの多い7〜8月の2ヶ月は部屋の掃除をしないといきなりオペレーションを変えたりということがありました。待遇の悪さに対して学生側から署名活動が起きたりしたこともありました。

Master プログラムの1年目が終わった時点で違う寮に引っ越した友人もそれなりにいましたが、その大きな理由の一つは管理室の対応の悪さだったように思います。

 

  • すぐにお金を取ろうとしてくるところが良くない。

どうやらGMは財政難なようで、何かと理由をつけてすぐにお金を取ってくることはよくあります。

例えば、GMの鍵はホテルのようなオートロックのカードキーなので、鍵を部屋に置いて閉め出されてしまうことがしばしばあります。そういった時にはセキュリティの人に問い合わせて部屋を開けてもらうのですが、1回開けてもらうごとに15フラン取られます。

他にも、引越し後に部屋に少しでも小さな傷があるとそれに対してお金を取られます。人によっては目で見ることができない床の下の不具合に500フランのお金を取られた人もいるようです。しかも、このお金を使って修繕されるわけではないとのこと。すなわち、自分の前の住人の人が付けた傷は自分の入居時もそのままになっていて、自分がその部屋から引っ越す際にもその傷に対してお金を請求されるという状況のようです。そうやって住民からできるだけたくさんお金を取るという手法なんだとか。GMに引っ越す方は、引っ越してすぐに部屋の隅々まで写真を取っておき、その傷は自分が来る前からあったんだと証明できるようにしておくことをお勧めします。

また、キッチンで誰かが何かを焦がして消防車が来るたびに120フランほどのペナルティを取られます。私の友人は、一回も消防車が来てしまったことがないのに120フランを請求されたことがあり、管理室に問い合わせて調べてもらったところ、「先月キッチンで何かが焦げて消防車が呼ばれたことがあった。誰がそれを起こしたのか分からないから、ランダムで住民の誰かに120フランを払ってもらわなければならず、それがたまたまあなただった。」と言われたことがあったそうです。あまりに理不尽なので監視カメラなどしっかり調査をしてもらい、犯人を突き詰めて120フランの支払いからは免れたそうですが、このエピソードから分かるように理不尽な請求をしばしば耳にします。

 

  • 卒業式が9月なのに、7月末で寮を追い出されてしまうのはおかしい。

これは毎年不満が出ているのにも関わらず、一向に改善されません。

どういうことかというと、IHEIDは6月ごろに授業が終わるものの、卒業式は9月です。(これは、卒業後6ヶ月は仕事探しの目的でスイス国内に残れるという法律上の決まりがあり、できる限り長く学生がスイスに残れるように卒業式を9月にしているのだとか。)ところが、寮の契約は最長でも7月末で終わり、部屋から追い出されてしまいます。結果、学生は自分たちで卒業式までの滞在場所を探さなければなりません。

GMが他大学や一般的な国際寮ならこの待遇も理解できますが、そもそもIHEIDの寮なので、IHEIDのスケジュールに合わせていないのは理不尽だと思います。新入生が入ってくるのも8月末もしくは9月中旬なので、少なくともあと1ヶ月は寮の契約を伸ばしてくれてもいいのでは?と思います。

私も今この寮を追い出された状態で、ジュネーブ内の違う部屋を借りて住んでいます。人によって短期で部屋を借りる人もいれば、卒業後も長期でジュネーブに住むつもりでアパートを探す人もいます。早く状況が改善されることを望むばかりです。

感想

ここまでネガティブな意見もたくさん書きましたが笑、総合的に、私はこのGMがとても好きでした。星10のうち8.5くらいでしょうか。だからこそ1年目の終わりに違う寮やアパートを見つけて引っ越す人もいる中で、2年間ここに住み続けたとも言えます。

白と木を基調としたデザインの部屋はとても落ち着きがあり、さらに部屋も天井が高いのでかなりの解放感がありました。騒音対策などもきちんとしていたのでプライベートがかなりしっかり確保されていて、とてもよかったです。

問題点としては、やはり管理室が挙げられるかなと。ただ、何も問題を起こさなければ大丈夫ですし、対応が遅いものと思って連絡をしたりすればそこまで大きく困ることはなかったです。あとは、部屋に鍵を忘れたりキッチンで焦がしたりしないように気をつけていれば大丈夫かなと思います(笑)

私の友人もなんだかんだ2年間GMに住み続けた人が多かったので、総合的な満足度はそれなりに高いと言えるでしょう。もしIHEIDにいらっしゃる方は、ぜひGMも寮の選択肢の一つとして積極的に候補に入れてもらえればと思います!

 

参考:GM以外の選択肢

Pichiotto:IHEIDが所有する、もう一つの寮。IHEIDのキャンパスのすぐ隣にあります。

Cite:University of Geneva (通称UNIGE)の学生のための寮ですが、空きがあればIHEIDの学生も入ることができるようです。場所はChampelと呼ばれる、少し外れの方にあります。IHEIDのキャンパスから見て湖の反対側に立地しています。